田端信太郎

紙の本を出してみて、メディアとしての本のすごさに気づかされました。「MEDIA MAKERS」はもともと、宣伝会議が運営するサイト「Advertimes」での連載を加筆修正したものです。実を言えば、内容の8割はWeb上にすでに載っています。 ですが、本が出てから「おもしろい」と数十冊まとめ買いして社員に読ませる経営者や企業幹部の方々が現れました。本書を語る講演を依頼してくる方々も結構な数でてきました。 紙の本のよさとは何でしょう。一つには直しが効かないという一種の不便さが、逆に強みになってはいないでしょうか。直せないからデジタルの何倍も推敲を重ねるといった面もあるでしょう。実際、私も何十回も読み返して練り直しました。 Web上ではバラバラだった素材が、整理された形で通して読んでいただけた。それも、本のよさだったのかと思います。